臨床研修プログラム
研修理念
医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学および医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般店な診療において頻繁に関わる疾病または負傷に適切に対応できるよう、基本的な診療能力(態度、技能、知識)を身につける。
概要

当院は、泉州地区において地域医療の中心的役割を担う自治体病院です。
精神科を除く内科系・外科系の主要14診療科からなる総合病院で、基幹型研修病院に指定されており、救急告知病院として内科と小児科は救急医療に貢献し、急性期病院を中心に地域医療を行っています。
近年医師不足に悩む病院が多い中で、当院は中規模病院ながら、医師の確保・各科の充実が進んでいます。
総合病院として幅広い診療を行う一方、地域に密着した特徴的な診療を行う目的で、
- 消化器病診療の充実
- こどもと女性に優しい医療
- 生活習慣病対策
- 高齢者に優しい病院
を目標の4本柱に掲げ、地域医療の充実を図っています。
消化器内科が平成20年4月から独立し、早期癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は100
件を越えます。外科・内視鏡外科で行われる手術も腹腔鏡下手術など内視鏡外科手術が大半を占め、国内でも有数の消化器病に対する低侵襲性治療に特化した病院といえます。
さらに、平成21年10月には周産期センター棟が完成し、小児科外来、産婦人科外来、NICUを一つの棟に集約、周産期から小児まで診療するセンター(周産期母子センター)としての運営を開始しました。
また、糖尿病専門医・糖尿病療養指導士チームは糖尿病地域連携パスを稼動し、地域ぐるみで糖尿病・生活習慣病治療に取り組んでいます。
初期研修では内科系・外科系の疾患を偏りなく経験し、まずプライマリーケアができる医師の育成を目標とします。
このように裾野の広い臨床力を基盤として、後期研修ではより専門的な経験・知識・技能を培い認定医や専門医の資格を取得することを目的とします。
「すぐれた臨床医」の条件としては知識や技量に秀でた医師であるだけでは不十分で、患者さんばかりではなく同僚、職員からも信頼され、地域医療に貢献できる総合的な資質を身につける必要があります。
また、現代医療においては、一個人の力だけでは限界があり、医療チームの一員として責任ある態度と行動が問われます。
当院の研修では、絶えず医療の技と心を鍛えるものでありたいと考えています。
そして、私ども「スタッフの経験・知識」と「研修医の若い活力」が一体となり、医療内容の向上に努め、常に前向きな活き活きとした医療を築きあげることを目標としています。
皆さんと一緒に診療できることを大いに期待しています。
病院見学・病院実習
病院見学について
当院は下記計画のとおり令和6年度中を目途とする統合再編の事業を進めています。 統合再編後の当院は、現在の総合病院から周産期・小児医療に特化した病院へと大幅に診療体制を縮小する予定です。
このため、令和6年度開始の初期臨床研修については、基幹型臨床研修病院の指定取消申請を行う予定としておりますので、病院見学会は実施いたしません。
ご理解のほどよろしくお願いいたします
病院実習
自由に実習先を選択できるクリニカル・クラークシップ制度のある医学部生の方は、是非、当院での臨床実習を体験下さい。
国公立・私立の出身大学を問わず全国の学生さんを喜んで受け入れいたします。
泉大津市立病院での研修に興味のある研修医の方は、お気軽に一度当院をご訪問下さい。
実習を希望される方は、総務課総務係(0725-32-5622※代表)までご連絡下さい。

研修プログラム
初期研修プログラム
- 可能な限り、希望診療科を、希望する時期に、希望する期間、ローティトできる。
- 将来の専攻科をいつでも決定できる。
- 救急は岸和田市民病院で研修予定(うち1ヶ月は本院における麻酔科研修)。
1年次

2年次

選択必修項目
循環器・呼吸器内科、内分泌・糖尿病・リウマチ内科、消化器・肝胆膵内科、外科、小児科、産婦人科、脳神経外科、整形外科、眼科、皮膚科、泌尿器科、放射線科および中央検査科より選択が可能です。
期間に関しては1科目最低4週(1ヶ月)とする。
後期研修プログラム
後期研修プログラム初期研修に引き続き、認定医・専門医の取得を目的として下記の診療科(診療分野)について最長3年間の後期研修を行い、当該領域の診療経験・知識・技能を培います。
研修期間中は、専門医申請に必要な学会発表や論文作成を積極的に行います。
診療科によっては、より専門性の高い診療分野を専ら中心とした研修、国内留学制度(3ヶ月程度)、他施設との交流プログラムなど、研修医個別の希望に応じて可能な限り柔軟に対応します。
総合内科
後期研修1年目に内科認定医資格を取得し、引き続き特定のサブスペシアリティにとらわれず、広く内科領域全般の診療を行い、最終的に総合内科専門医の取得をめざします。
当院はこの地区の地域医療の中核を担う公立病院であり、日常よくみられる一般的な疾患から、救急医療を含めた急性期疾患や慢性疾患の急性増悪などを守備範囲とした広範囲の医療を行っており、幅広い症例の臨床経験・知識・技能を培うことができます。
また、規模は大きくない反面、診療科間の垣根が低く、プライマリーケアを学ぶ上で、最適な環境であると考えます。
日本内科学会の臨床研修関連施設にも認定されています
消化器内科
一人一人がプロフェッショナルとしてお互い尊敬しあい、かつその責任をもって診療にあたっております。
9名の消化器内科医および1名の後期研修医により運営されており、肝・胆・膵および消化管全般の診療をおこなっております。
肝疾患に関しましては各種の慢性肝炎や肝硬変の診断治療をおこない、さらには超音波下の肝臓癌治療をおこなっています。
内視鏡検査器機は最新機種を豊富にそろえ、3ベッド体制にて豊富な症例があります。
食道静脈瘤治療、内視鏡的止血術、粘膜剥離、粘膜切開剥離、ERCP、乳頭形成術などの治療内視鏡も積極的におこなっております。
また消化管出血緊急例に対する輪番制救急当番を担っており、緊急内視鏡検査も経験できます。
下部消化管につきましては特発性炎症性腸疾患であるクローン病および潰瘍性大腸炎の診断、治療(薬物療法および血球除去治療)をおこなっています。
平成21年6月からは小腸内視鏡検査も開始し、またカプセル内視鏡も導入され、泉州地区消化器疾患の中核的センターとして機能しております。
当科での後期臨床研修では腹部超音波検査、上部および下部消化管内視鏡検査、治療内視鏡検査が一人でおこなえることを目標に、技術、知識、そして医師としての心を習得していただきたいと思います。
外科・内視鏡外科
外科・内視鏡外科は消化器外科・胸部外科・乳腺内分泌外科を担当しています。
とくに内視鏡外科手術を積極的に取り入れ、胃癌・大腸癌など全身麻酔下手術の2/3以上を内視鏡手術でこなしています。
日本内視鏡外科学会技術認定資格を有したスタッフが常勤し、研修期間中に技術認定申請ができる程度まで指導します。
また、2020年10月より大阪市立大学第2外科より小児外科専門医を派遣して頂き、周産期母子センター開設に伴う小児外科疾患にも対応しています。
現在、日本外科学会および日本消化器外科学会の認定指導施設ですが、近い将来日本小児外科学会認定指導施設資格も取得する予定です。
研修希望者は出身大学にこだわりません。
熱意ある青年医師を歓迎します。
小児科
この地域は全国的に見ても小児の多い地域で、症例も多くプライマリーケアを学ぶには最適であると思われます。
小児救急は泉州地域で輪番制をとっており、水曜日と第1・第3土曜日を担当しています。
救急は常に上級の先生とペアで当直しますが後期研修の2年目にはほとんどの救急に対応できるようになっております。
プライマリケアだけでなく、腎臓・神経・内分泌・循環器・血液・新生児・喘息・発達の各専門外来もあり、それぞれの疾患を専門的に研修することが可能です。
平成21年にNICUが設立され、新生児医療の研修もさらに充実しました。
地域との連携も密接で発達障害や虐待等に関して学校、幼稚園、保育所、保健所とチームを組み子育て支援、支援教育に力を入れております。
小児医療に燃える先生方にはきっと、満足いく研修になると確信しています。
産婦人科
現在、常勤医数は7名です。
産科を主体としていますが婦人科症例もさまざま取扱い、産婦人科臨床研修指定施設として登録されています。
地域病院との連携(セミ・オープン方式)を採用しているため、約1/3の妊婦さんは健診を他病院・医院で行っています。
できるだけ医療介入をしない自然な分娩をめざし、個々の症例によって方針を決定する姿勢をとっています。
また平成21年10月よりNICUが本格的に稼動し、地域周産期施設として大きな役割を担っています。
産婦人科は、妊娠という特殊な状態や女性特有の疾患を様々な角度から診ることができます。
多少は忙しくても(産婦人科は大変だ!といわれていますが)得ることも大きいと思います。
忙しいけれども実りのある研修になればとスタッフ全員でサポートします。
泌尿器科
当院は泌尿器科専門医基幹教育施設であり、泌尿器科専門医として必要な知識、技術を習得することを目指します。
診療内容については、一般泌尿器科はもちろんのこと、特に尿路性器癌、排尿障害、尿路結石症、内分泌外科など幅広い診療を行なっています。
年間手術件数は約200件、ESWLは約100件です。
泌尿器科の手術は内視鏡手術、開腹手術、内シャント造設など多彩であり、おのずと全身管理の修練にもなります。
最近では、女性泌尿器科医も増加し活躍されています。
ぜひ男女を問わず後期研修として泌尿器科を選択しませんか?
また後期研修後の進路につきましても希望に添えるよう責任をもって斡旋します。
研修医の処遇
初期研修医師
- 身分
- 泉大津市会計年度任用企業職員(非常勤)
- 給与
- 1年次:年額約3,500,000円(年2回賞与含む)
2年次:年額約3,800,000円(年2回賞与含む)
※宿日直回数によって変動します - 勤務時間
- 8:45~17:00
- 休暇
- 土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
年次有給休暇(年間10日)、夏季休暇、特別休暇(婚姻、忌引等) - 宿泊施設
- 職員用宿舎(単身者用)を病院に併設。
- 社会保険等
- 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険に加入。
- 健康管理
- 年2回定期健診あり。
- 学会・研究会等への参加
- 参加は許可している。費用負担は内容により検討する。
- 当直勤務等
- 本研修は、原則として、当直勤務あり。
(原則として当直は常勤医師か後期研修医とともに2人当直)※スクロールできます→
救急当直 日直手当 21,000円 一般当直 日直手当 14,700円 宿直手当 32,200円 宿直手当 18,060円 祝宿手当 32,200円 祝宿手当 25,060円 - その他
- 病院として医師賠償責任保険に加入している
後期研修医師
- 身分
- 泉大津市職員
- 給与
- 年収800万円~1,000万円程度(賞与・宿日直手当を含む)
※卒後年数、診療科により変わります - 勤務時間
- 8:30~17:00
- 休暇
- 土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
年次有給休暇(年間20日)、夏季休暇、特別休暇(婚姻、忌引等) - 社会保険等
- 健康保険、共済組合、厚生会に加入
- 健康管理
- 年2回定期健診あり
- 学会・研究会等への参加
- 参加のみの費用負担は年2回。泉大津市立病院名で発表をされる場合は費用負担あり。
- 当直勤務等
- 月に2~4回(内科、消化器内科、小児科は救急当直)
〔内科、消化器内科、小児科〕
救急宿直手当(17:00~9:00)55,000円
救急日直手当(9:00~18:00)39,000円
〔その他の科〕
院内宿直手当 平日25,800円/休日35,800円
院内日直手当 21,000円
- その他
- 病院として医師賠償責任保険に加入している
職員用宿舎
単身者用の職員宿舎が病院に隣接しています。
家賃は光熱水費込みで13,000円/月です。
指導医・研修医・医学生からのメッセージ
指導医からのメッセージ
初期研修は、これまで大学の医学教育で培った知識と新鮮な志を持って臨床現場に臨み、初めて診療を実践する重要なステップです。挨拶ができ、幅広い職種からなる他のメンバーを尊重し、協力して医療を行うことができる人に育ってほしいと思います。ベッドサイドで患者さんの不安に寄り添い、よく話を聞き、自分で考え、指導医に伝え、的確な助言を受けながら患者さんと向き合う姿勢を養うことが将来の糧となるはずです。
市民の健康を守る総合病院である当院は、診療科間の垣根が低いアットホームな環境で、ローテーションの枠組みを越えた横断的な研修も可能です。臨床経験の豊富な専門医集団の中で、研修医の皆さんにはぜひ多くを吸収していただきたいと思います。2年間の研修を通じて、将来専門とする分野にかかわらず、基本的な診療能力(態度、技能、知識)を修得してもらえると確信しています。
良質の医療を提供できるように自己研鑽に努め、周りから信頼され安心感を与える医療を皆さんとともに実践していきたいと考えています。
内科部長 岡本 圭司
研修医からのメッセージ
当院は230床の地域の中核病院で、急性期医療を中心に地域医療を行っています。地域周産期母子医療センターでは、産婦人科・小児科・NICUを備え、周産期に必要な高度な医療を行っています。
内科研修の特徴は、循環器・呼吸器、内分泌・糖尿病・リウマチ、消化器・肝胆膵の専門の先生方の間で壁がなく、幅広く実践的に研修できるところです。個々の研修医のペースにあわせてくださり、一人一人の患者さんとじっくりと向き合うことができます。疑問をもったときにはすぐに質問できる温かい雰囲気があります。
産婦人科は分娩件数が多く分娩に立ち会う機会が十分にあります。小児科では様々な疾患のお子さんを広く診療しています。産婦人科、小児科とも熱心な先生が多く、学べることが多いと思います。
病院全体の風通しがいいのも当院の特徴です。どの科で研修していても画像で疑問点があれば、読影室に足を運べば放射線科の先生が熱心に指導してくれます。また脳神経外科の先生をはじめ、どの科の先生方も疑問点等があればいつでも指導してくださいます。今これがやりたいという希望があればすぐ実現することができる包容力のある病院だと思います。
当院は各科の隔たりがなく、実践的な研修ができるので初期研修にとてもよいと思います。後期研修への足場固めとして当院での研修をお勧めします。
2年次初期研修医
医学生からのメッセージ
私は1ヶ月間、泉大津市立病院の内科(主に内分泌・リウマチ)で実習させていただきました。
泉大津市立病院はcommon diseaseの診療から専門的な診療まで、地域周産期母子医療センターでは産婦人科や小児科の診療を多く学ばせていただける地域密着型の病院であり、また初期研修プログラムにかねてより興味がありましたので、ぜひ学生のうちから貴院での実習を受けさせていただきたく、希望させていただきました。
実習では、外来見学や病棟実習、内科カンファレンスなどに参加させていただきました。指導医の先生方はとても熱心に教えてくださり、採血や鼻咽頭拭い液採取などの手技、患者さんの診察、多職種のカンファレンスなどを経験させていただきました。
また初期研修医の先生と一緒に実習させていただきましたので、研修医の先生がどのような仕事をされているのかを見ることができ、研修医となったときのことを想像しながら実習させていただくことができました。
各科の先生方が研修医の先生に熱心なご指導をされていたり、研修医の先生方も充実した研修医生活を送られていらっしゃいましたので、初期研修を泉大津市立病院で受けさせていただきたいという気持ちがより一層高まりました。
1ヶ月という短い間でございましたが、大変お世話になりました。この経験を忘れることなく、今後も日々精進してまいります。ありがとうございました。