外科・内視鏡外科

ご案内

泉大津市立病院外科・内視鏡外科では、2004年7月より身体にやさしい内視鏡外科手術に特化した診療に取り組んでいます。
胆嚢結石、胆嚢炎に対してはほぼ全例に腹胆嚢摘出術を行うほか、総胆管結石、急性虫垂炎、ソケイヘルニア修復術、逆流性食道炎を合併する食道裂孔ヘルニアなどにも腹腔鏡外科手術を行います。
胃癌は特殊な病型を除く早期胃癌、あるいは漿膜浸潤やリンパ節転移が否定的な進行癌まで腹腔鏡補助下切除の適応としています。
大腸癌についてはリンパ節転移が否定的な進行癌(Dukes B)まで、腹腔鏡補助下大腸切除術を行います。
また、食道切除も積極的に施行しています。乳癌については患者さんと十分相談の上ガイドラインにしたがった治療法を選択しています。
2008年の総手術件数は527件で全身麻酔手術410件のうち255件(63%)が内視鏡手術でした(表1)。
スタッフ6名は全員日本外科学会会員(6名は専門医)で、それぞれ日本消化器内視鏡学会、日本消化器病学会、日本胸部外科学会、各専門医の他に乳腺画像診断医や日本内視鏡外科学会技術認定医あるいは消化器がん外科治療専門医などの資格も取得しています。

専門領域

  • 消化器外科:食道・胃、直腸・肛門、肝・胆・膵、などの疾患を取り扱います。
  • 乳腺・内分泌外科:乳癌や副腎腫瘍などを治療します。
  • 内視鏡外科:腹腔鏡下外科手術および胸腔鏡下外科手術などで小さな傷で身体にやさしい手術を行います。

検査

  • 上部・下部内視鏡
  • 気管支内視鏡
  • 内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)
  • 食道胃十二指腸Ⅹ線撮影
  • 大腸Ⅹ線撮影
  • 腹部・甲状腺超音波検査

内視鏡外科

体をなるべく傷つけず、患者さんに優しい治療を。

周産期外観

消化器内科および外科と連携して、内視鏡を用い、できるだけ小さな傷で、体に優しい治療を行います。
具体的には、おなかの中に二酸化炭素を送気して大きく膨らませ、テレビモニターを見ながら小さい刺し傷で手術操作を行います(図)。
平成14年度から腹部外科領域の16件の術式が保険適用になりました。何とか小さい傷で治したいとお悩みの方、一度ご相談下さい。


保険適用となっている内視鏡手術
腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応は、胆嚢癌が除外できる胆嚢結石、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋症、胆嚢炎などで、ひどい癒着や炎症がない限り、ほとんど腹腔鏡手術で切除できます。切除した胆嚢と石は回収袋に収納して、お臍から取り出します。総胆管結石も、経口内視鏡の治療との併用で治療できます。胃癌の治療法もこの10年で飛躍的に向上しました。
口から飲む内視鏡による粘膜切除術(EMR)の手技の向上により、リンパ節転移がほとんどないとされる「2cm以下の隆起型で粘膜に留まる癌」に対しては、ほとんど外科手術が必要なくなりました。
しかし、病変が小さくても発生部位が胃の入り口(噴門)近くでは、口から飲む内視鏡だけでは確実な治療が難しく、腹腔鏡を用いた局所切除を行います。
ところが、早期胃癌の2/3以上を占めるのは、Ⅱcなどといわれる陥凹型癌で、潰瘍を合併したり、あるいは大きさが1cmを超えてくると、リンパ節転移の頻度が増えてくるので、念のために胃周囲のリンパ節の掃除が必要になってきます。このことをリンパ節郭清といいますが、日本胃癌学会が作成した胃癌治療ガイドラインによると、胃に最も近いリンパ節のみの郭清を伴う胃切除(縮小手術)が適応となります。
泉大津市立病院ではこれを腹腔鏡下手術で行います。開腹縮小手術と比較しても、排ガス、歩行開始日、在院日数、などの点で優れています。胃粘膜下腫瘍(GIST)は、たとえ悪性でも胃癌と異なりリンパ節転移がほとんどみられないといわれ、局所切除のよい適応となります。大腸癌も胃癌と同様に内視鏡手術が可能です。
しかし、大腸壁に露出する結腸癌では、腹膜再発が問題で、適応を慎重に選ぶ必要があります。脾臓、副腎の良性疾患は大抵臍の切開を少し延長するだけで摘出でき、開腹手術に比べて著しく小さな傷で手術が完了します。
胃食道逆流症(GERD)に対する腹腔鏡下修復術は、食道裂孔ヘルニア合併、薬剤抵抗性、夜間の逆流、誤嚥性肺炎、嗄声, あるいは食道癌発生と関連性が高いバレット食道合併例などが適応となりますが、これも3~4カ所の刺入創のみで修復が可能です。
十二指腸潰瘍穿孔は穿孔部を縫合する操作が、内視鏡手術で可能です。
その他、食道癌の手術、小腸の手術、虫垂切除、成人のそけいヘルニアの手術も手がけています。

平成14年度から保険適用になった腹部外科領域
  1. 胆嚢摘出術
  2. 胆管切開結石摘出術
  3. 副腎摘出術
  4. 脾摘出術
  5. 噴門形成術
  6. 食道裂孔ヘルニア手術
  7. 胃・十二指腸潰瘍穿孔縫縮術
  8. 食道下部迷走神経選択的切除術
  9. 胃切除術
  10. 大腸切除術
  11. 肝嚢胞切開術
  12. 腸管癒着剥離術
  13. 食道切除術
  14. 小腸切除術
  15. 虫垂切除術
  16. ソケイヘルニア手術

担当医専門領域・資格等

野口 浩平 専門領域
消化器外科一般、内視鏡外科手術、がん化学療法
日本外科学会指導医・専門医・認定医
日本消化器外科学会指導医・専門医・認定医・消化器がん治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
庄野 嘉治

専門領域
肝胆膵外科手術、食道胃外科手術、大腸肛門外科手術
乳腺内分泌外科手術、内視鏡外科手術、がん緩和医療
日本外科学会指導医・専門医・認定医
日本消化器外科学会指導医・専門医・認定医・消化器がん治療認定医
日本消化器病学会指導医・専門医
日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
日本肝胆膵外科学会評議員
日本内視鏡外科学会技術認定医(胃)・評議員
日本臨床外科学会評議員
近畿内視鏡外科研究会世話人
日本がん治療認定医機構がん治療認定医・暫定教育医
日本静脈経腸栄養学会TNT認定医
日本乳癌学会認定医
検診マンモグラフィ読影認定医
乳房超音波医師
身体障害者認定指定医(膀胱・直腸機能障害)
厚生労働省 臨床研修指導医
インフェクションコントロールドクター
日本医師会認定産業医

石田 興一郎 専門領域
食道・胃外科手術、内視鏡外科手術
日本外科学会専門医・認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本食道学会食道科認定医
合田 太郎 専門領域
小児外科手術、ヘルニア手術、一般消化器外科手術
日本外科学会専門医
日本静脈経腸栄養学会TNT認定医
家田 淳司 専門領域
日本外科学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器外科学会専門医
日本消化器病学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
上西 幹洋 専門領域
乳腺外科、甲状腺外科、消化器外科、肝局所治療、がん化学療法
日本外科学会専門医・認定医
日本消化器外科学会認定医
日本乳癌学会認定医
日本超音波医学会指導医
検診マンモグラフィ読影認定医
日本医師会認定産業医
マイクロウェーブサージェリー研究会評議員
(表1)外科・内視鏡外科手術件数
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  平成27年度 平成26年度 平成25年度
全身麻酔 422 426 409
脊椎麻酔 50 33 66
局所麻酔 59 81 26
合計 531 540 501
  平成27年度 平成26年度 平成25年度
食道癌 2 3 10
(食道裂孔ヘルニア1,アカラシア1)
胃癌(開腹) 13 11 8
胃癌(腹腔鏡) 16
(LADG9、LATG6、LAPG1)
19
(LADG9、LATG6、LAPG1、審査3)
15
(LADG12、LATG1、LAPG2)
結腸癌(開腹) 3 4 5
結腸癌(腹腔鏡) 29 27 40
直腸癌(開腹) 1 0 0
直腸癌(腹腔鏡) 18 9 19
痔核、痔ろう 54 42 14
肝癌(開腹) 5(原発性2 転移性3) 4(原発性2、転移性2) 5(原発性1 転移性4)
肝癌(腹腔鏡) 4(原発性1 転移性3) 0 1(転移性)
膵癌 3 5 1
胆石、胆嚢炎 40 61 50
肺疾患
(気胸等含む)(開腹)
1 0 1
肺疾患
(気胸等含む)(腹空鏡)
34 20 23
乳癌 53(温存46 全摘7) 70(温存65 全摘5) 56(温存18 全摘8)
虫垂炎(開腹) 7 1 1
虫垂炎(腹空鏡) 9 18 17
鼠径ヘルニア(開腹) 29 32 49
鼠径ヘルニア(腹空鏡) 36 40 27
イレウス(成人) 5 15 13
その他
(成人全麻手術)(開腹)
37 58 30
その他
(成人全麻手術)(腹空鏡)
22 2 6
小児外科 69 48 72
合計 490 489 463
(表3) 結腸癌の治療成績
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結腸癌5年生存率(2004/07/01~2009/06/30)

病期 0 Ⅲa Ⅲb Total
症例数 12 28 50 37 13 16 156
生存率(%) 100 100 95.2 87.7 84.6 34.0 80.1
全国登録
データ
(1991~1994)
94.8 90.6 83.6 76.1 62.1 14.3 71.4
(表3)直腸癌の治療成績
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直腸癌5年生存率(2004/07/01~2009/06/30)

病期 0 Ⅲa Ⅲb Total
症例数 7 14 38 24 7 13 103
生存率(%) 100 100 93.3 89.1 83.3 32.1 85.6
全国登録
データ
(1991~1994)
92.9 89.3 76.4 64.3 47.1 11.1 67.7

(表4)腹腔鏡手術による腹腔結腸癌の治療成績
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結腸癌5年生存率(2004/07/01~2009/06/30)

病期 0 Ⅲa Ⅲb Total
症例数 11 28 37 29 11 8 124
生存率(%) 100 100 93.8 82.5 90.9 66.7 83.1
全国登録
データ
(1991~1994)
94.8 90.6 83.6 76.1 62.1 14.3 71.4

当科では結腸癌手術症例156例中124例(79.5%)が腹腔鏡手術です。

(表5)腹腔鏡手術による直腸癌の治療成績
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直腸癌5年生存率(2004/07/01~2009/06/30)

病期 0 Ⅲa Ⅲb Total
症例数 4 12 29 16 4 5 70
生存率(%) 100 100 100 82.5 100 33.3 86.3
全国登録
データ
(1991~1994)
92.9 89.3 76.4 64.3 47.1 11.1 67.7

当科では直腸癌手術症例103例中70例(68.0%)が腹腔鏡手術です。

(表6)胃癌の手術成績
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胃癌5年生存率(2004/07/01~2009/06/30)

病期 Total
症例数 131 21 26 49 226
生存率(%) 100 88.9 70.1 19.7 79.6
全国登録
データ
(1991~1994)
99.1 72.6 45.9 7.2 71.8
(表7)胃癌腹腔鏡下手術と開腹手術の比較
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5年生存率(2004/07/01~2009/06/30)

病期 Lap. Open
症例数 132 45
生存率(%) 96.8 87.5
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